次の巨大地震は(1)
「熊本地震の熱はどこへ?」
熱移送説の中で主役を務めるのは熱エネルギーの伝達である。その熱エネルギーは、地球の地核(特に外核)からスーパープルーム(高温の熱の通り道)を通って地球表層に運ばれ、その先々で火山・地震活動を起こすというものである。
火山の場合、熱エネルギーが伝わると熱のたまり場が高温化し、そこにある岩石が溶けてマグマと火山ガスが生まれると、そのガス圧で噴火が起きる(マグマとは約1000度に溶けた地下の岩石のことであり、この高温溶融物が地表へ噴出したのが溶岩である)。
地震の場合は、硬いが脆い岩層の地下岩盤が熱エネルギーによる膨張で割れることにより発生する。つまり熱エネルギーが通ることにより断層が活断層になるのである。
角田氏によると、南太平洋(ニュージーランドからソロモン諸島にかけての海域)と東アフリカの2カ所から、地震や火山の噴火を引き起こす大本の熱エネルギーが地球表層に出てくるという。日本の地震や火山噴火に関係あるのは南太平洋の方である。
南太平洋から出てきた熱エネルギーは、西側に移動しインドネシアに到達すると3つのルートに分かれて北上する。3つのルートとは、(1)スマトラ島から中国につながるSCルート(雲南省では地震が相次いでおり、2008年5月に発生した四川大地震もこれに該当する)、(2)マリアナ諸島から日本につながるMJルート、(3)フィリピンから台湾を経由して日本につながるPJルート(今回の地震に関連するルート)、である。
となります。
角田氏はまた、
「噴火と地震の発生場所がほぼ変わらない」と指摘する。地球の内部構造は環太平洋火山・地震帯が約10億年も不変であることが示すとおり、高温化する場所や岩盤が割れやすい箇所はほとんど変わらない。そのため、熱エネルギーが移送されることによって生じる火山の噴火地点や地震が起こる場所は不動だという。
「熱エネルギーは1年に約100キロメートルの速さで移動する」ので、インドネシアやフィリピンで地震や火山の噴火が起きた場合、その何年後に日本で地震や火山の噴火が起きるかがある程度予測できるとしている。
こうした一連の火山・地震過程は「VE過程」と名付けられ、このような熱エネルギー移送のルートや周期、日本各地の地域特性から「地震や火山の癖」が読み解ける。
とも述べています。
さらに、
今回の地震を引き起こした熱エネルギーは、(1)中国地方の日本海沿岸地域、(2)瀬戸内海地域、(3)四国の太平洋沿岸地域(南海トラフ)の3つのルートに枝分かれして東方に移動するため、今後、これらの地域で地震が発生する可能性が高い。南海トラフでは熱エネルギーの移動が遅いため熱が溜りやすく、それだけ巨大地震が発生しやすい
とも解説しています。
そこで、YES/NOをやってみました。
(1)PJルートの熱は当分熊本に留まり、ここで再び巨大地震を起こすのか、
それとも、西日本へ移送されてここで巨大地震or噴火になるかをみると、
2:1で西日本へ移送の可能性大。
(2)西日本への熱移送はどのルートで巨大地震or噴火となるかをみると、
日本海側2:瀬戸内1:南海トラフ0という結果に。
熱移送のスピードを考えると、
阿武姫島火山帯から大山に向かうエリアが巨大地震に注意
が必要となりますが、
(出典:http://www5e.biglobe.ne.jp/~osg_prv/official/tigaku_saikousei/volume1_touko_kazan1/vol1_chap2/tyuugoku_sikoku_kinki/volcanic_rows_of_tyuugoku_sikoku_kinki_1.html)
熱移送以外に「跳びはね地震」などもありますので、
中国・四国地方は要警戒となりますね。