カルト国家の腐敗 2017年4月

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 皆さんお元気ですか、朝比奈です。

 森友事件は、ロッキード事件にちなんでアッキ―ド事件などいわれていますが、70年代とはかなり構造が違うのではないか。田中角栄をどう評価するかは別として、今回の首謀者たちは理論的にかなり劣化しており、どこかカルトの匂いがするのが特徴。関西における、稲田(椿原)→在特会(レイシスト)→維新の会、という 流れがベースにあり、宗教的背景をもつ「カルト」と「政治」が繋がっている点が現今の問題なのではないでしょうか。

 つまり、大きなバックには「日本会議」があり、これを支える宗教界、特に神社本庁の関わりと、財政的支援や日本会議の源流となった80年代くらいまでの「生長の家」の活動や主張について詳しく研究したのが上の二冊の本で、一時訴訟沙汰にまで。で、生長の家といえば谷口雅春、この人物の書いた本が「生命の實相」。これまでに1,900万部も出たそうで、病気になった人たちがこの本を読んで治ったという体験から多くの信者・支持者がいる模様。

 谷口は戦後GHQから執筆追放処分となりましたが、69年に「占領憲法下の日本」という本を出し、この中で「『主権は国民にありと宣言』した占領憲法の無効を暴露する時機来たれり」とし、「『国家統治ノ大権ハ朕カ之ヲ祖宗に承ケテ之ヲ子孫ニ伝フル所ナリ』(帝国憲法発布勅語)と仰せられた本来の日本民族の国民性の伝統するところの国家形態に復古すること」といっています。このように、戦前戦中期に皇国史観に足をすくわれていった谷口ですが、薄っぺらな超古代史論がすべての元凶となり、私たちとは立ち位置がまったく異なる結果をきたすわけです。

 90年代以降経済成長が望めなくなると排外主義や戦争に活路を見出す動きが起きてくるわけで、 この日本会議のネットワークにS学会やT協会が癒着し、さらに民団・総連・同和などの利権が絡んだのが今回の事件。こうしたカルト的金権腐敗の構図に、国際金融資本やCIA=米産軍複合体が交錯してくるのが、オウムに始まる90年代以降のこの国の実態であり、「○○の科学」しかり、知的劣化と宗教の妄昧から目覚めて現実を見つめなおし、健全な精神と肉体を取り戻すことが緊喫の課題ではないでしょうか。

 では、来月またお目にかかりましょう。