スポーツ界に対する疑問 2013年10月

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 皆さんお元気ですか、朝比奈です。

 2020年の東京五輪が決まったといって政府やマスコミ・不動産や建設をはじめとする業界がこぞって熱狂していますが、最後に行われた首相のプレゼンにはいささかあきれている方々も多いのではないかと思います。
「放射能汚染水の影響は原発港湾の0.3平方キロメートルに完全にブロックされている」などという発言は何を根拠にしているのかまったく不明と言わざるを得ません。汚染水は制御不能になっているから問題なのであり、原子力研究開発機構によれば来年にはハワイ沖に達するとされ、「完全にコントロールされている」などというのは事実に反するウソと申し上げられます。

 そうまでしてなぜ開催したいのか、都知事のいう「コンパクトに競技施設が集中した効率的な大会運営」とか、「被災地復興」や「国民の心を一つに」というお題目の陰で、経済効果や開発行政・儲け話へと本音が丸出しになってきつつあるのが昨今の情勢です。確かに8%~10%への消費増税を目指す現政権にしてみれば、何らかの特需がないと景気が腰折れすることは明らかであり、従来から「お祭り」景気を主張していた東京都の狙いも湾岸開発とカジノ構想であることがこれで明らかになったようです。さらに英国のロイズ(保険会社)でさえ手を引いた、関東大地震と富士の噴火を目前(2015年以降)に控えての話なのですから・・・。

 まぁ、百歩譲ってそれらに目をつぶったとしても、どうも私にはIOCを頂点とする現今のスポーツ界には違和感が残ってしまうのです。今夏の異常な暑さのため家で高校野球をずっと観ていたのですが、故郷の出場校の選手名を見て感じたのは、「これは地元の生徒ではなく、よその県から集められた子たちだ」という点でした。結局どんな競技でも、お金が絡んでいるので勝たなきゃならない→勝つためには何でもやる→末端での体罰やドーピングなどが日常茶飯となる、こうした風潮がまん延しているのではないでしょうか。それは「参加することに意義がある」とされた近代オリンピックの精神や、政治的思惑や国家間の対立の対極にあるべきスポーツマンシップから外れているのではないかと思われるのです。

 では、来月またお目にかかりましょう。